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2019年に史上最少だった決まり手。
突き押し全盛、投げや吊りは不遇? 

text by

西尾克洋

西尾克洋Katsuhiro Nishio

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photograph byKyodo News

posted2019/12/09 10:30

2019年に史上最少だった決まり手。突き押し全盛、投げや吊りは不遇?<Number Web> photograph by Kyodo News

琴勇輝(右)を筆頭に、突き出しを得意とする力士が増えている。この流れはしばらく変わりそうにない。

不戦勝、つまり怪我が増えている。

 そしてもう1つ、重大な事態についても触れておかねばならない。

 不戦勝の比率が過去最多だったのである。

 事態の深刻さは、不戦勝が下手投げやすくい投げよりも多いと言えばお分かりいただけると思う。

 取組の中で怪我をする、取組の前に負傷する。このようなことがあまりに多かった。優勝争いに関わる横綱大関や、伸び盛りの若手の途中休場が相次いだことも印象を強めた。

 そしてこれは今年だけの傾向ではなく、3年続けて同程度の水準が続いている。

 怪我をした力士に対するケアも重要なテーマだが、怪我を未然に防ぐためにどうあるべきかを相撲協会として考えていく必要があると思う。

 2019年の大相撲を振り返ると、現在大相撲が置かれた状況がよく分かる。突き押し相撲の増加、平均体重増、そして怪我の増大。

 その結果、決まり手が大きく変化しているということだ。2020年は未来に繋がる明るい数字が見える、そんな大相撲であることを期待したい。

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