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変化した強さを見せる日本体育大学。
明治大学の大黒柱は復活なるか。 

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箱根駅伝2020取材チーム

箱根駅伝2020取材チームhakone ekiden 2020

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photograph byShigeki Yamamoto / Yuki Suenaga

posted2019/12/11 11:00

変化した強さを見せる日本体育大学。明治大学の大黒柱は復活なるか。<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto / Yuki Suenaga

明治大学

第96回箱根駅伝予選会:4位
第95回箱根駅伝(前回大会):17位
2年連続、61回目

Key person of the TEAM:阿部弘輝(4年)

主将エースの復調に期待。
学生最速ランナーの最終年やいかに。

文=和田悟志

 実に4カ月ぶりのレースだった。

 明大のエース・阿部弘輝(4年)は、夏に股関節と腸腰筋を故障したが、11月23日の10000m記録挑戦競技会で、7月のホクレンディスタンスチャレンジ網走大会以来となる実戦復帰を果たした。

 この競技会では、本来であれば各校のエース格が名前を連ねる17時前後スタートの組で走るべき選手だが、阿部は13時スタートの第7組に出場した。結果は29分30秒05で組2着。自己記録の27分56秒45に及ばないのは仕方がないとしても、目標の29分10秒~29分20秒にも届かず、走り終えた阿部は思わず苦笑いを浮かべた(ように見えた)。

「思っていた以上に動かなかったっていうのが正直な感想です。短期間で仕上げたものの、これぐらいではいけるんじゃないかなっていうのがあったんですけど、そこまで甘くなかった。手応えとしてはもうちょっと。思っていたよりも悪かったかなと思います。雨や風があったとはいえ、さすがに29分20秒以内には抑えたかったんですけど、駅伝で押し切る脚がまだできていませんでした」

 阿部はそう反省を口にするが、途中で後輩の金橋佳佑(2年)が飛び出してからも、1人で淡々と押し切って29分30秒にまとめたのはさすがとしか言いようがない。現状は本人の実感として「2~3割」の回復具合というが、たとえ完全復活とまではいかなくとも、約1カ月後の阿部がチームの大きな戦力になるのは間違いない。

 本人には物足りなさが残ったのかもしれないが、「現状をきちっと把握できたし、彼はここからぐっと上がってくると思うので、(箱根駅伝を走れる)目処が立ったような感じはしています」と山本佑樹駅伝監督が話すように、阿部のレース復帰は周囲にとって待ち望んでいたことだった。

国際大会でも結果を残してきた。

 阿部は、今大会にエントリーされている日本人選手の中で10000mの最速タイムをもつ。

 今季は、前半戦から本調子ではなかったが、たとえ万全ではなくても、きっちりと結果を残すのが阿部という選手だ。5月の関東インカレでは5000mで7位と、大学の代表選手として得点をもぎとった。エースで主将の阿部は、やはり頼りがいがある。

 そして国際大会でも、4月のアジア選手権で10000m6位、7月のユニバーシアードでは10000m銀メダルと結果を残してきた。それほど学生長距離界で際立った存在だ。

 阿部は、これまで箱根駅伝では、1年時に4区、3年時に3区を走っているが、前回の箱根駅伝が終わってからは「自分がエース区間(2区)を走って、結果を残したい」と、最後の箱根路に向けて決意を固めていた。駅伝ファンにとっても、学法石川高時代の同期で東洋大のエース・相澤晃と箱根駅伝の2区で競い合う場面は、見てみたいはずだ。

【次ページ】 目を見張る、後輩の成長ぶり。

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