“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER
高校野球で無名→ドラフト上位指名。
日本一の慶應大に見る逆転の要因。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byKyodo News
posted2019/11/27 11:40
慶大・大久保監督の指導のもと、大きな飛躍を遂げた選手たちが掴んだ19年ぶりの大学日本一だった。
慶大・大久保監督の育成法。
ただし、慶大は東京六大学という名門リーグにいる。高校時代を無名で過ごした選手たちをプロ野球経験者の大久保秀昭監督は丁寧に育て上げてきたのだ。たとえば、ピッチャーの高橋佑樹と津留崎、バッターの郡司と柳町では、打つ形、投げる形がまったく違う。鋳型に押し込めない個性重視の選手育成法が彼らを見ているだけでよくわかる。だからこそ、慶大の試合は見ていて楽しい。
この大久保監督が今年限りで監督を勇退し、そのあとを引き継ぐのはJR東日本を社会人屈指の強豪チームに生まれ変わらせた堀井哲也氏である。堀井氏も高校、大学時代を無名で過ごした十亀剣(西武)、吉田一将(オリックス)をドラフト1位でプロに送り出している。慶大の監督にはぴったりの人材である。