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井上尚弥の怪物性は薄れたのか?
“Drama in Saitama”の海外評。

posted2019/11/20 11:45

 
井上尚弥の怪物性は薄れたのか?“Drama in Saitama”の海外評。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

ドネア戦終盤の戦いぶりに高い評価を受けた井上尚弥。「怪物性」をより色濃いものにした一戦だった。

text by

杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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Takuya Sugiyama

 11月7日、日本で行われたワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)のバンタム決勝、井上尚弥vs.ノニト・ドネア(フィリピン)の試合は、ボクシングの本場アメリカでも少なからず話題を呼んだ。アメリカ国内ではスポーツ動画配信サービスのDAZNがこの試合を生配信。東部時間でAM5:30頃という開始時間だったにも関わらず、終了直後からその激しい試合内容が評判になった。

「考えれば考えるほど、2019年のファイト・オブ・ザ・イヤー(年間最高試合)はこの一戦で間違いない」

 リングマガジンのダグラス・フィッシャー編集長は、自身のコラムにそう記述していた。新旧のスーパースターが真っ向から打ち合った一戦は、実際にスキルレベルとドラマ性の両方で評価が高い。

 今年は他にエロール・スペンス(アメリカ)vs.ショーン・ポーター(アメリカ)、アンソニー・ジョシュア(イギリス)vs.アンディ・ルイス・ジュニア(アメリカ)、ジョシュ・テイラー(イギリス)vs.レジス・プログレイス(アメリカ)、ジャレット・ハード(アメリカ)vs.ジュリアン・ウィリアムズ(アメリカ)といった好ファイトが展開されてきたが、通称“ドラマ・イン・サイタマ”が多くの主要媒体から2019年のベストファイトに選出される可能性は高そうだ。 

「怪物性が薄れた?」

 気になった部分があるとすれば、今回の激闘で井上の評価が多少下がったのではないかという点だ。これまで無人の広野をゆく快進撃を続けてきた“モンスター”だが、今回は36歳になった老雄に苦戦。9ラウンドには強烈な右を浴びてダメージを受け、一部のファンからは「怪物性が薄れた」と指摘されていた。

 もっとも、この試合を見た米主要メディアのライターたちに意見を求めると、基本的に井上への高評価は変わっていないという答えだった。

【次ページ】 試練を乗り越えた「終盤」に好評価。

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