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五輪に向け華麗に成長を続ける17歳。
サーフィン・松田詩野が宿す静かな自信。
posted2019/10/17 11:00
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Nao Nakai
17歳になったばかりの少女が快挙を成し遂げた。
9月に宮崎で行われたワールドサーフィンゲームス(WSG)。台風の影響を受けた荒波を捉え、波の頂点に板を当て鋭く切り返す得意の「オフザリップ」を連発し、アジア選手最上位の全体15位に。条件付きながら東京五輪の出場権を獲得したのだ。
神奈川県茅ヶ崎市の海の近くに生まれ、両親の影響でサーフィンを始めた。6歳の時に訪れた地元のサーフィンスクールでは、初日に難なくボードの上に立って波に乗り、周囲を驚かせたという。「その時の気持ちよさは今でも覚えている」と話す。
彼女の武器となるのが、柔軟な下半身を活かした鋭く華麗なターンだ。
「強みでもあり、もっと上達させたい部分でもあります。去年から(ジムでのフィジカル)トレーニングを続けていて、試合がない時は週に2回、家でできるメニューも組んでもらっています。手応えを感じたり、まだまだだなと思うときもあるけれど、継続することが大事と思っています」
「いい波を見分ける」という能力。
そうした準備が実り、今年5月の第1回ジャパンオープンで初代女王となって、今回のWSGの日本代表選手の座を掴んだ。まさに波に乗っている状態の今季だが、一方で課題も口にする。
「いい波を見分ける力。上手い人と当たるほど、いい波を確実に掴まないと。変な波に手を出してプライオリティー(波に乗る優先権)を失わないようにしたいです」
目標は2つ。「東京五輪でメダルを取ることと、(プロ最高峰の)チャンピオンシップツアー(CT)選手になっていつか優勝すること。みんなの目標になれるような選手になりたい」と話す。