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ハミルトン「鈴鹿――最高の響きだ」
F1日本GP、ホンダの激走も期待大。
posted2019/10/06 19:00
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
Getty Images
もうすぐ、鈴鹿で日本GPが開幕する。
日本GPのことを尋ねられると、ドライバーはだれもが自然と笑みをこぼす。
2年前、ミハエル・シューマッハーが持っていたコースレコードを11年ぶりに破ったルイス・ハミルトンはこう言う。
「鈴鹿――最高の響きだね。だって、鈴鹿は真のドライバーズサーキットだから。最近、ほとんどのサーキットが採用している舗装路面によるラン・オフ・エリアはほとんどない。コースの外はグラベルか芝生。もし、少しでもコースをはみ出せば、たちまちウォール行き。ほかのサーキット以上に、すべてのコーナーを正確に走ることが要求される。
でも、そればかり気にしていると、今度は思うようなタイムが出ないんだ。毎年、完璧に走ろうとチャレンジするけど、なかなかそれができない。だから、鈴鹿に帰ってくることを毎年、楽しみにしている。こういうサーキットは、いまはほとんどないからね」
昨年もハミルトンは、自らが持つコースレコード更新を狙ったが、Q3が雨に祟られたため、更新は果たせなかった。「今年のマシンは昨年よりもダウンフォースは増えたけど、その分、空気抵抗も増えたから、どうだろうね」
メルセデスのあるエンジニアは、こう語る。「われわれのシミュレーションでは、今年のマシンは2年前にルイスが作ったコースレコードの1分27秒319を破って、1分26秒台前半を出すと予測している。もし、ルイスが完璧なタイムアタックを遂行することができれば、鈴鹿のコースレコードは更新されるだろう」
フェラーリのルクレールも自信あり。
今年の日本GPでメルセデスとともにポールポジションを争う最大の対抗馬がフェラーリだ。今年、フェラーリに移籍したホープであるシャルル・ルクレールは、第13戦ベルギーGPから前戦ロシアGPまで4戦連続でポールポジションを獲得している。
「僕がポールポジションを獲得したこの4戦の中には、超高速のモンツァもあり、低速のシンガポールも含まれている。だから、僕たちフェラーリが鈴鹿で遅くなる理由はない。僕はまだ鈴鹿でF1を走らせた経験は1度しかないけど、いかに素晴らしいコースであるかを知るには十分な経験だった」(ルクレール)