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ハミルトン「鈴鹿――最高の響きだ」
F1日本GP、ホンダの激走も期待大。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2019/10/06 19:00
昨年の鈴鹿ではハミルトン(左)が優勝、フェルスタッペン(右)が3位。今年はどんなドラマが待っているのか。
ベッテル「鈴鹿は僕を虜にする」
そのルクレールのチームメートであるセバスチャン・ベッテルもまた、鈴鹿で行われる日本GPを楽しみにしている。じつはベッテルは日本GPで、現役F1ドライバー中で最も多い4度のポールポジションを獲得している。
「F1ドライバーになる前、テレビでミハエルのレースを見ていたときから、僕は鈴鹿を走ることが夢だった。走るたびに、鈴鹿は僕を虜にする。最も好きなのは、セクター1。ここは1コーナーからダンロップまで7つのコーナーがあるけど、このすべてがひとつの複合コーナーだと言ってもいい。ここまでコーナーが連続しているサーキットはほかにはない。
その次に好きなのは、スプーン(第13~14コーナー)。そして、デグナーの1つ目(第8コーナー)も絶妙のレイアウトだ。1年に一度しかレースできないから、1日、1セッション、1周たりとも無駄にしないで、鈴鹿でのすべての時間を楽しみたい」(ベッテル)
フェルスタッペンも日本を特別視。
そのメルセデス、フェラーリらと鈴鹿で優勝を争うことが予想されているのが、今年からホンダがパワーユニットを供給しているレッドブルだ。今季ここまで2勝を挙げているマックス・フェルスタッペンは、今年の日本GPは特別なレースだと語る。
「レッドブルに移籍した'16年から3年連続で表彰台を獲得しているように、鈴鹿ではいつも良い時間を過ごせているから、今年も鈴鹿でいい結果を残したい。特に今年は、僕にとってホンダのドライバーとして初めて臨む日本GPだ。
ここ数戦、メルセデスやフェラーリがさらに調子を上げているから簡単にはいかないだろうけど、鈴鹿はホンダのホームコース。少しでもいい結果を残すために、僕は全身全霊で走ることを誓う。そのうえで、日本のファンが喜んでくれる最高の結果が手にできたらいいね」
ホンダが鈴鹿で開催される日本GPで入賞すれば、'06年のジェンソン・バトン(4位)以来、13年ぶりのポイント獲得。表彰台を獲得すれば、'04年のバトン(3位)以来、15年ぶりの登壇。そして優勝すれば、'91年のゲルハルト・ベルガー以来、28年ぶりの美酒となる。
ホンダにとって、歴史的な日になるであろう一戦を、決して見逃してはならない。