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スプリンターズSを予想していたら
ディープの偉大さに改めて驚いた。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKyodo News
posted2019/09/28 19:00
ロードカナロアの仔ダノンスマッシュがスプリンターズSを制覇すれば、史上初の父仔制覇となる。
この秋最初のGIは誰の仔が?
横手さんはこうも言った。
「いなくなってあらためて、あいつのすごさがわかりました」
そこにいた私まで、その地からディープインパクトが天国へと旅立ったことによる空虚感を、逃れようのない現実のものとして強く感じた。
徳武さんが、社台SSで過ごしていたディープを思い出しながら、その特徴について語った言葉が印象深かったので、紹介したい。
「ほかのサンデーサイレンス系の種牡馬は、冬でも毛が短くてつやつやなのですが、ディープは冬毛がよく生えました。そのせいで冬になると黒くなるあたりは、ヨーロピアンのノーザンダンサー系に近かったように思います。耳が短かったところなども母の父のアルザオに似ている、と言っていた人もいました」
ディープインパクトは、そんなところまで特別だった。
話を無理に戻すようだが、今週のスプリンターズステークスに産駒のアレスバローズ(牡7歳、栗東・角田晃一厩舎)が出走する。
天国の父に、この秋最初のGIタイトルをプレゼントするのはどの馬か。そこにも注目しつつ、秋競馬を堪能したい。