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オールカマーの逃走劇を天皇賞でも。
スティッフェリオと丸山に漂う魅力。
posted2019/09/25 07:00
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
9月22日、中山競馬場でオールカマー(GII、芝2200メートル)が行われた。
同日の阪神競馬場では神戸新聞杯(GII、芝2400メートル)が行われたが、そちらは菊花賞のトライアルなのに対し、オールカマーは3歳以上の重賞。トライアルレースではないが、実質的には天皇賞(秋)などにつながるプレップレース的な要素がある。
出走馬の中には一昨年のダービー馬であり昨年の天皇賞(秋)を優勝したレイデオロ(牡5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)や、今春、香港に遠征してクイーンエリザベス二世カップ(GI)を制したウインブライト(牡5歳、美浦・畠山吉宏厩舎)などの有力馬が名を揃えていた。
実際、10頭の出走馬のうち、その2頭が人気を分け合う形になった。そんな中、最終的に1番人気に推されたのはレイデオロだった。
レイデオロが一番人気の中で。
主戦のクリストフ・ルメール騎手が神戸新聞杯のサートゥルナーリアの手綱を取るため、新たなコンビとして鞍上には福永祐一騎手を迎えた。同騎手は週半ばには美浦トレーニングセンターを訪れダービー馬の調教に騎乗。その感触を確かめていた。
ルメール騎手がトップジョッキーなのは疑いようがないが、福永騎手とて素晴らしい技術を有した騎手には違いない。ファンもそれを承知しているからこその1番人気で単勝は2.2倍だった。
一方のウインブライトは単勝3.0倍の2番人気。前売り時点では1番人気に支持される時間帯もあったが、最終的にはダービー馬に1番人気を譲った。とはいえ、ここまで重賞3連勝。先述した通り、前走では香港に遠征してGIを初優勝。その前の2走は中山金杯(GIII)と中山記念(GII)を連勝。
その2勝を含め、中山競馬場では8戦して5勝2着2回。重賞は4勝しており、唯一、掲示板を外したのはGIの皐月賞。明らかなコース巧者ということでセカンドフェイバリットに支持された。