野球のぼせもんBACK NUMBER
耳を疑った武田翔太の中継ぎ起用。
工藤采配に選手への「愛」はあるか?
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKyodo News
posted2019/09/25 20:00
波紋を呼んだ武田の登板があった21日は、レギュラーシーズンの本拠地最終戦。試合後、場内を一周する工藤監督の表情も冴えない。
コンディションに配慮してきた工藤監督。
工藤監督はスポーツ医学や運動生理学に精通しており、選手のコンディショニングには他の誰よりも気配りをする監督だ。「彼らには長くプロ野球を続けてほしいから」。我が子のように愛情を注ぐ監督なのだ。
だから、納得がいかないのだ。プロ野球人としてこの局面で「投げる」という選択肢も否定はできない。ならば、先発で起用するべきだったのではなかろうか。
24日、ホークスが敗れてライオンズが勝利した。大熱戦のパ・リーグペナントレースの決着はついた。
しかし、戦いはまだ終わりではない。クライマックスシリーズが待っている。そしてホークスにとっては、それを勝ち抜いて球団史上初となる3年連続日本一という頂への挑戦がこの先も続く。どんな結果であれ「やりきった」と胸を張れるフィナーレを――。
心から、そう願っている。