酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
菊池涼介と山田哲人の守備数値比較。
2019年、鉄壁の二塁手はどっちだ。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2019/09/23 09:00
現在のプロ野球で名セカンドといえば、菊池涼介と山田哲人。2人の数字を比較してみると興味深い事実が浮かび上がる。
ここ5年の菊池と山田の数値比較。
実は、菊池には同一リーグにライバルがいる。ヤクルトの山田哲人だ。トリプルスリーでおなじみの大打者だ。年齢は今年29歳の菊池に対して、27歳。双方まだまだ若いが、2人の守備率とRFの数字は、近年、接近してきている。
<2014年>
菊池 RF6.21 守備率.987
山田 RF5.69 守備率.984
<2015年>
菊池 RF5.65 守備率.988
山田 RF5.66 守備率.989
<2016年>
菊池 RF5.90 守備率.995
山田 RF5.42 守備率.993
<2017年>
菊池 RF4.99 守備率.993
山田 RF5.20 守備率.988
<2018年>
菊池 RF5.15 守備率.996
山田 RF5.64 守備率.984
<2019年>※9月18日時点
菊池 RF4.70 守備率.984
山田 RF5.04 守備率.988
山田は2015年には菊池と拮抗していたが、2014、2016年には菊池とはっきり差があった。
しかしそれ以降は、山田の方がRFで菊池をはっきり上回っているうえに、守備率でもよい年が多い。
数字だけを見る限りでは、菊池涼介はここ近年、守備範囲が狭くなり、山田に逆転されているうえに守備の精度でも追いつかれている、ということになる。
印象に残る「見た目」と「印象」。
ちなみに守備の数字も、打撃や投球成績と同様、毎年変動する。
自チームの投手のタイプや、他の内野手の守備範囲、リーグの投打の力関係などが作用するからだ。だから年ごとの数字の比較にはそれほど意味はなく、同じ年の同一リーグの選手との比較ができる程度だ。
私はここ2年ほど、ゴールデングラブは山田哲人でもいいんじゃないかと思ってきたが、今年こそそうなるのか、注目している。
ただし、ゴールデングラブ賞は記者投票で決まる。もちろん、記者各位は数字も参照するだろうが、それ以上に「見た目」「印象」も重要だ。