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楽天の打撃職人・銀次、好調の秘訣。
バットは不変、フォームは変幻自在。 

text by

田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byKyodo News

posted2019/08/27 08:00

楽天の打撃職人・銀次、好調の秘訣。バットは不変、フォームは変幻自在。<Number Web> photograph by Kyodo News

8月23日の西武戦では通算1000試合出場を達成した銀次。生え抜き10年目の頼れる主将だ。

打席ごとに変わる打撃フォーム。

 銀次は今年、打席で臨機応変に打撃フォームを変化させている。

 右足を小刻みに上げながらタイミングを取る。これが、現在のベースではあるが、すり足で間を計る打席もあるし、ノーステップで対応することだってある。それは、投手のタイプやコンディションを照合した上で、打席ごとに判断していることだという。

 そこにはやはり、銀次に染みついた感覚が大きく関係している。

「体は状態が悪い時の動きを覚えているもんなんです。そういった打席では、あえていいイメージを持って打つようにはしますけど、逆にそれを持ちすぎてもよくないんで。例えばノーステップでいいバッティングができました。

 その距離感のまま次の打席に入ってしまって、変な打ち方とかしてしまうと、本当にいい距離感を掴めなくなったりするんで。だから、その都度、タイミングの取り方とかを変える準備をしたほうがいいんじゃないかなって思っています」

キャリアハイ更新より大事なこと。

 あの質問から1カ月以上たった今も、打率は3割をキープする(8月26日現在)。

 今年、楽天の生え抜き初の通算1000安打と1000試合出場を果たした男には、自身4年ぶりのシーズン3割、2017年に記録したキャリアハイの155安打の更新も射程圏内に入っているだろう。

「別に。特に、数字の意識はないです」

 反応はそっけない。でも、やはり顔に笑みは浮かべている。

 経験から裏打ちされる感覚に確信を抱く。

 野球人生をともにすると誓った一振りを携え、打席では変幻自在の打撃で、良くも悪くもないパフォーマンスを持続させる。数字を意識せずとも、結果はついてくる。

 それが、今年の銀次である。

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