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200m自由形で日本勢初の銀メダル。
松元克央と伸び悩みを打破した名将。

posted2019/07/25 11:50

 
200m自由形で日本勢初の銀メダル。松元克央と伸び悩みを打破した名将。<Number Web> photograph by Hiroyuki Nakamura

200m自由形で日本人初となる銀メダル獲得。東京五輪まで1年というタイミングで松元克央の成長は心強い。

text by

田坂友暁

田坂友暁Tomoaki Tasaka

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photograph by

Hiroyuki Nakamura

 日本人初の快挙は、新進気鋭の若手エースによって達成された。

 韓国・光州で開催されているFINA世界選手権の男子200m自由形決勝。前半から力強いキックとストロークで世界最高峰のレースを牽引していく松元克央(セントラルスポーツ)は、100mを50秒91の2番手で折り返す。

 少し順位を下げて150mをターンすると、爆発的なキックを入れながらモーターボートさながらの勢いでラストスパートをかけて3番手でフィニッシュ。記録も1分45秒22の日本新記録で、電光掲示板を確認してガッツポーズを見せる松元。

 次の瞬間、1分44秒69の1位だったリトアニアのダナス・ラプシスがフライングで失格と判明。順位がひとつ繰り上がって銀メダルが確定したとき、もう一度スタンドにいる日本チームに向かって大きくガッツポーズで喜びを表した。

「3位と分かった時点でうれしかったんですけど、2位に繰り上がって、今は信じられない気持ちでいっぱいです。メダルラインは日本記録と同じくらいだと思っていました。日本記録も更新できて、メダルも獲れて本当にうれしいです。自分を信じてきて、鈴木(陽二)先生を信じてきて、本当に良かったと思います」

高校時代から知られる存在だったが。

 高校時代からその存在は全国に知られていた。

 3年生時のインターハイでは、100mと200m自由形で2冠を達成。そのときすでに、200mは高校生ながら1分48秒77という高いレベルの記録を持っていた。

 ところが大学1年生となった2015年にタイムが伸び悩む。

 泳ぎも生活も、気持ちもリズムが崩れていた。どこか水泳に対して真剣になれない。それは若さゆえの反発でもあり、どれだけ練習しても結果が出せないことへの不安の表れでもあった。

【次ページ】 名将との出会いが松元を変えた。

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