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中邑真輔はいつWWEで天下を獲る?
引退まで「あと5年」告白の真意。

posted2019/07/01 18:00

 
中邑真輔はいつWWEで天下を獲る?引退まで「あと5年」告白の真意。<Number Web> photograph by Essei Hara

WWEという団体でCOO(最高執行責任者)も務めているトリプルH(右)。レジェンドとも言える選手が中邑真輔と組んだ……ということに大きな意義が。

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原悦生

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 日清のカップ麺「どん兵衛」のコマーシャルが大人気のWWEの中邑真輔だが、中邑の両手がクネクネと絡んでいるのは「どんぎつねさん」の大きなシッポばかりではない。

 6月25日のWWEスマックダウンで、インターコンチネンタル王者フィン・ベイラーのTVインタビュー中に、左から中邑の手が伸びてきて、クネクネと画面に侵入してくると、ベイラーが肩にかけていたベルトにキツネのような指先でタッチして消えた。

 このシーンは世界中に配信された。

 中邑のインターコンチネンタル王座への挑戦の意思表示だった。この中邑の仕草に、ベイラーがニヤッと笑みを浮かべた。

米国のカリスマ・トリプルHの後ろ盾が。

 東京では6月28日、29日の両日、両国国技館で「WWE Live Tokyo」が行われた。この初日に中邑はメインイベントでセス・ロリンズのユニバーサル王座に挑んだが、ロリンズのカーブストンプという名の踏みつぶしを受けてフォール負けした。

 だが、2日目にはトリプルH(HHH)という選手と異例のタッグを結成して、ロバート・ルード、サモア・ジョー組に快勝。“カマン・ポーズ”やコーナーに押し詰めた相手にダブルでのタギリ顔面攻撃まで披露した。

 最後はルードにヒザ攻撃から得意のキンシャサを決めた。

 アメリカでカリスマ的存在であるトリプルHが日本で試合をするのは実に11年ぶりだった。そんなトリプルHの大きな後押しを受けた形で、中邑は「世界」獲りに乗り出すことになる。

 昨年の両国大会は、直前に「警察犬にかまれる」というアクシデントで欠場を余儀なくされたが、今回はWWEのトップで活躍する中邑真輔の雄姿を日本のファンに生で伝えることができた。

 今年、中邑は「イヤァオ!」を叫んで東京を去ることができた。

 そして、今の中邑の狙いは――インターコンチネンタル王座だ。

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