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<NBA2018-2019>
ラプターズが開いた新時代の扉。

posted2019/07/01 15:00

 
<NBA2018-2019>ラプターズが開いた新時代の扉。<Number Web> photograph by Getty Images

ラプターズはアメリカ以外に本拠地を置くチームで史上初のNBAチャンピオンに輝いた。

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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Getty Images

3連覇をかけ頂上決戦に臨んだウォリアーズと、チーム創設以来の快挙に挑んだラプターズ。多くが無敵の王者の勝利を予想するなか、新参者は王者のお株を奪う“全員バスケ”で歴史を動かした。

 今年のNBAファイナルは、始まりから少し奇妙だった。いや、“奇妙”という表現は適当ではないかもしれない。“新鮮”と言ったほうがいいだろうか。

 去年まで、NBAファイナルは4年連続でゴールデンステイト・ウォリアーズ対クリーブランド・キャバリアーズの対戦だった。毎年同じチーム、同じ街、同じ組み合わせ。多少の選手の入れ替えはあっても、似たような顔ぶれで、お互いを知り尽くしたうえでの戦いが続いていた。

 しかし、去年夏にキャブズのスーパースター、レブロン・ジェームズがロサンゼルス・レイカーズに移籍したことで、東の勢力図が大きく変わった。その結果、これまでキャブズに、ジェームズにファイナルへの道を阻まれてきたトロント・ラプターズがファイナルに駒を進めた。

「実際のところ、4年連続で同じチームが戦ったこれまでが例外だったんだ。ファイナルは4年連続で行けるものではない。行けたのはラッキーなこと」とウォリアーズのヘッドコーチ、スティーブ・カーは言う。

 一方のラプターズは、NBAファイナル初出場。NBAで唯一、アメリカ国外を本拠地とするチームのファイナル進出は、トロントだけでなく、カナダの国中に熱狂を巻き起こした。毎試合、本拠地スコーシアバンク・アリーナ前の広場が『ジュラシックパーク』と名付けられた屋外パブリックビューイング場となり、アリーナに入れないファンが建物の外からも大声援を送った。この『ジュラシックパーク』は、ファイナルが進むにつれカナダ各地に増殖していった。NBAファイナル慣れしたウォリアーズにはなかった盛り上がりだった。

この記事は雑誌『Number』の掲載記事です。
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