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ブエミが語るアロンソの速さ(後編)。
「高性能のコンピュータのような走り」
text by
田邊雅之Masayuki Tanabe
photograph byTOYOTA
posted2019/07/01 11:35
中嶋一貴と共に、2018-'19シーズンで年間王者に輝いたアロンソ(右)とブエミ。
「世界で最も完成されたレーシングドライバーに」
――では最後の質問を。アロンソはF1でチャンピオンにまで上り詰めたにもかかわらず、このWECにも参戦しました。さらにはインディ500でも優勝を収めて「トリプル・クラウン」を狙っていると噂されている。はたして彼を突き動かしている要因はどこにあると思いますか? 何が彼をそこまで駆り立てているんでしょう。
「たぶん彼は、自分が本当にスペシャルな存在だということを証明したいんだと思う。
もちろんF1で戦い続けていく方法もあるけれど、シューマッハの記録を超えるためには合計8回、年間チャンピオンになる必要がある。これは不可能に近い。そもそも8回もタイトルを取るにはものすごい労力が必要になるし、年齢ももっと若くなければならない。もちろんフェルナンドは超一流のドライバーだけど、今の時点から6回もチャンピオンを狙うというのは、あまり現実的じゃない。
でも自分がスペシャルな存在だということを示すには、もう1つのやり方もある。それが違うカテゴリーで戦っていく方法なんだ。
F1、ル・マンのようなWEC、インディ、たぶんダカールラリーも含まれてくると思うけど、こういうカテゴリーのマシンをすべて乗りこなしてレースに勝っていけば、世界で最も完成された、オールラウンドなレーシングドライバーだということになる。きっと彼は、そんなドライバーを目指しているんだろうね」
*雑誌『Sports Graphic Number』(7月11日発売予定/982号)にフェルナンド・アロンソのインタビューが掲載されます。ご期待ください。