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宝塚記念に登場する「最強の1勝馬」。
2着7回のエタリオウが今度こそ?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2019/06/22 08:30
エタリオウのシルバーコレクターぶりは父譲りなのだろうか。長じて大きなレースを勝つところまで似るのだろうか。
父は4度の掲示板、産駒は5勝。
ステイゴールド自身は'98年から4年連続宝塚記念に出走し、2、3、4、4着に敗れたが、産駒は史上最多の5勝を挙げている('09年ドリームジャーニー、'10年ナカヤマフェスタ、'12年オルフェーヴル、'13、'14年ゴールドシップ)。
エタリオウも、能力自体はここで「最強の1勝馬」のタイトルを返上しても不思議ではないものを持っている。
菊花賞では、遅れ気味のスタートから道中動いてポジションを上げても掛からなかった。4コーナーで外からマクり、直線でいったん先頭に立つも、内から強襲してきたフィエールマンと叩き合い、ハナ差の2着に惜敗。先頭に立って1頭になったときにふわっとするところがあり、そこを突かれたわけだが、最後はまた伸びて差を詰めていた。
そして、前走の天皇賞・春では、道中、離れた最後方に待機。3コーナーで外から一気に進出し、4コーナーでいったん抑え、直線で前をとらえにかかったが4着に敗れた。
やや強引なレースだったが、最後まで走りに集中したのは収穫だった。
初コンビとなる横山典弘がどんな手綱さばきを見せるかも楽しみだ。同じくテン乗りとなったゴールドシップで'14年のこのレースを勝ったときのように、いかにも手が合いそうな気がする。
エタリオウが「最強の2勝馬」に?
ということで、印を。
◎エタリオウ
○キセキ
直線で先に抜け出したキセキをエタリオウが追い詰め、馬体を併せるところまで行くことができれば、「最強の1勝馬」が「最強の2勝馬」になれるのではないか。
上半期の王者決定戦にふさわしい戦いに期待したい。