飛距離アップを求め、肉体改造。

　マスターズを経て、今平は飛距離アップの重要性を改めて思い知った。ただし、それは14回のうちの5回のナイスショットを伸ばすのではなく、むしろミスになる9回以上のショットに焦点を当てるもの。

「芯に当たらなかったときに、少しでも体の重さなんかでボールを押し出せたりできないかな……って思うんです」

　穏やかな性格で多くを語らないが、頭の中はいつもゴルフのことでいっぱいだ。プロの世界に飛び込んでから、下部ツアーを経て毎年順調にステップアップし、あれよあれよと言う間に賞金王になってから、今平は肉体改造にいっそう真剣になった。

　このオフのグアム自主トレまでに体重を約4kg増量し、直後のメキシコでの世界選手権で体の変化からくるスイングの違和感を覚え、それまでのベスト体重だった65kg前後に戻すことにした。それがマスターズで改めて「やっぱりこのままでは話にならない」と再びパワーアップを胸に誓った。

　半年にも満たないわずかな期間で、失敗と考察を幾重にも連ねて模索している。

「強い体が必要」（渡辺トレーナー）

「今年はまず、大前提としてケガをしないカラダを作ることが一番なんです」と話すのは、2018シーズンから今平が師事する渡辺研太トレーナー。彼が歩むべき道を踏み外さないよう、サポートする役目を担う。

「今平選手が身長が低いにもかかわらず、飛ばすことができるのは、スイングの効率が優れているから。けれどその分、体への負担も大きい。スイング中の遠心力をコントロールするための強い体が必要です」

　飛距離アップ、そのための体重増という目標は変わらないが、今後はゆっくりとしたペースで、「1カ月で500g」をひとつの目安にするそうだ。

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