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防御率12球団最下位の西武を救うか。
左キラーに生まれ変わった平井克典。
posted2019/05/16 10:30
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
昨年のパ・リーグ覇者が苦しんでいる。
3、4月を12勝12敗1分けの五分で終えたものの、5月6日からは2シーズンぶりとなる5連敗を記録。フリーエージェントやポスティングで3人の主力が抜け、戦力ダウンは否めないとの予測で開幕したシーズンだったが、開幕直前には先発ローテーションとして計算していた投手にも故障者が続出。予想を上回る厳しいスタートとなった。
特に不安視されているのが投手陣だ。昨年のチーム防御率は4.24でリーグ最下位。今シーズンも5月15日現在のチーム防御率は4.83で、12球団でワーストの数字である。
個人成績を見れば、規定投球回数を超えた投手11人のうち、防御率で下から3人が全員西武の先発投手という危機。早急に手を打つべき最重要課題だろう。
苦手だった左打者を、今季は封殺。
そんな中、安定したピッチングを見せているのがプロ入り3年目の平井克典である。
今シーズン、平井の安定感の源になっているのが、左打者に対する強さである。サイドスローの投手の中には、左打者を苦手とする者が多い。昨年までの平井も同様だった。ところが5月15日現在、29名の左打者と対戦して被安打2、被打率は.069。ほぼ完ぺきに抑えていると言っていいだろう。
キャッチャーの森友哉は言う。
「やっぱりフォークですね。今シーズンは有効に使えているので、それが左(バッター)を抑えている要因のひとつだと思います。同じ左打者としては、やっぱり縦の変化球があるのとないのとでは、考えることが増えるので大きいです」
プロ1年目の2017年、42試合に登板し中継ぎ投手として実績を残したものの、当時の平井には課題も残されていた。それが左打者の被打率だった。
右打者と比べ、左打者のほうが被打率が1割近く高かった。重要な場面でマウンドに向かう平井としては、代打で苦手な左打者をぶつけられることも多く、その課題の克服を迫られていた。
そこで平井は2017年の後半からチェンジアップの習得に着手。2018年シーズンではチェンジアップを試してみたものの、大きな手応えは得られなかった。