ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
鈴木みのるがライガーと闘いたい理由。
17年前の電話と、プロレス界復帰。
posted2019/05/14 11:00
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by
AFLO
来年、1月4日、5日に開催される新日本プロレスの東京ドーム大会での引退を表明している獣神サンダー・ライガー。
ジュニアヘビー級のレジェンドだけに、国内外の多くのレスラーから「引退前に(もう)一度闘いたい」という対戦希望の声が上がっているが、先の新日本プロレス『Road to レスリングどんたく2019』シリーズでも、またひとり、ライガーとの一騎打ちに名乗りをあげる男が現れた。鈴木軍のボス、鈴木みのるだ。
4.24新日本プロレス後楽園ホール大会、「獣神サンダー・ライガー デビュー30周年記念試合」で、ライガーと鈴木は、それぞれタイガーマスク&田口隆祐、金丸義信&エル・デスペラードとトリオを結成し、タッグマッチで対戦。
この試合前、マイクを持った鈴木は「おまえ、あのとき言ったよな。『2年ぐらい時間よこせ』って。いつまで待たせるんだよ。それともなにか、『体力が衰えて怖いから、もうあなたとはできません』ってことか?(笑) おい、どうすんだよ?」と、ライガーを挑発。そして「獣神サンダー・ライガー30周年のプレゼントだ!」と、オープンフィンガーグローブを投げつけた。
17年前、パンクラスルールでの一戦。
ライガーと鈴木は、いまから17年前の2002年11月30日、パンクラス横浜文化体育館大会において、パンクラス(総合格闘技)ルールで対戦。この時は、鈴木がこのルール初挑戦のライガーにマウントパンチからチョークスリーパーで一本勝ち。試合後、短い準備期間でこの試合に臨んだライガーはマイクを持ち、「もう一回やろう。でも、すぐというわけにはいかん。2年ぐらい余裕をくれ。次はブチのめす!」とアピールした。
この時の発言を、鈴木は引き合いに出したのだ。
なぜ、いまになって鈴木は、あらためてライガーとの再戦をアピールし始めたのか。それは、あの17年前の一戦が、鈴木のレスラー人生にとってきわめて重要な試合のひとつだったからだろう。