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日米で起きた2つの降着の違いとは。
競馬の世界標準ルールとアメリカ式。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byKyodo News

posted2019/05/07 12:20

日米で起きた2つの降着の違いとは。競馬の世界標準ルールとアメリカ式。<Number Web> photograph by Kyodo News

アドマイヤマーズが勝利したNHKマイルカップで、圧倒的1番人気のグランアレグリアは4着入線から5着に降着となった。

日本ならおそらく着順はそのままだった。

 それに対し、カテゴリー2では、「その加害行為が被害馬の競走能力発揮にどのくらい影響を与えたか(その影響でどれだけ減速したか、あるいは騎手がバランスを崩したかなど)を見て総合的に判断する」という考え方が基準になっている。

 日本は、かつてカテゴリー2を採用していたが、2013年からカテゴリー1になった。1991年、6馬身差で1位入線したメジロマックイーンがスタート直後の斜行で最下位に降着となったケースなどは、カテゴリー2ならではのものだった。

 そう、アメリカは今もカテゴリー2なのである。

 なお、日本のほか、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、インド、シンガポール、香港、マカオ、韓国、南アフリカ、UAEなど、大多数の国(地域)がカテゴリー1を採用している。

 フランス、ドイツもカテゴリー2だったが、2018年にカテゴリー1に移行した。

 先週のケンタッキーダービーで、4コーナーでの走行妨害がなかったとしても、被害馬がマキシマムセキュリティに先着することはできなかったように見えた。アメリカがカテゴリー1だったとしたら、着順はそのままで、騎手が騎乗停止処分を食らって一件落着、となっていたと思われる。

NHKマイルカップでもグランアレグリアが。

 そして、日本のNHKマイルカップ(5月5日、東京芝1600m、3歳GI)でも、降着となるシーンが見られた。

 C.ルメールの騎乗するグランアレグリアが、直線で外側に斜行し、川田将雅のダノンチェイサーの走行を妨害。その加害がなければ被害馬が先着したとみなされ、4位で入線したグランアレグリアは5着に降着となった。

 それに伴い、ルメールは3月にも同様の不注意騎乗による騎乗停止処分を受けていたため、通常なら開催4日となるところ、開催6日の騎乗停止処分となった。オークスではフラワーカップを勝ったコントラチェック、ダービーでは無敗で皐月賞を制したサートゥルナーリア、さらに同日の目黒記念ではブラストワンピースに騎乗する予定だったが、すべて乗り替わることになった。

 既報のように、サートゥルナーリアとコントラチェックは、短期免許で来日しているD.レーンで調整中だという。

【次ページ】 どちらが正しいルールというわけではないが……。

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#マキシマムセキュリティ
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