F1ピットストップBACK NUMBER
「セナの死」は生かされているか?
F1でマンホール蓋直撃の珍事故。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byAFLO
posted2019/05/07 11:05
財政難もあって苦戦続きのウイリアムズに手痛い事故。レース主催者が損害を補償すると伝えられた。
セナの事故から25年。
さらに言えば、そのコースを走るドライバーや、自分たちのマシンを走らせるチーム関係者にもコースを下見し、異変があれば、それを指摘する義務があった。
かつてセナは、事故があればその場所を訪れ、疑問があればFIAのスタッフに尋ねていたものだったが、今回の事故後、外れたマンホールがあった場所を訪れたドライバーは何人いただろうか。
セナの事故から25年。もう、セナとともにレースをしたドライバーは1人もいなくなった。さらに今季参戦する20人中8人はセナの死亡後に生まれた新しい世代だ。
信じられないような事故に見舞われながらも、アゼルバイジャンGPでは誰もケガをしなかった。それを不幸中の幸いという言葉で片付けてはならない。