プロ野球亭日乗BACK NUMBER
“井端弘和師匠”に学んだ山本泰寛。
巨人で光る文武両道の慶応ボーイ。
posted2019/05/05 13:30
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Kyodo News
今年のニューヨーク・ヤンキースは開幕からの故障禍で次々と主力選手が戦線離脱。まともに打線が組めない試合が続いている。
開幕直後の4月に主砲のジャンカルロ・スタントン外野手とアーロン・ジャッジ外野手、ベテランのトロイ・トロウィツキー内野手が次々と倒れた。若手期待のミゲール・アンドゥハー内野手も戦線離脱している。
ただこの故障禍の中でもなんとか凌いでア・リーグ東地区の2位を守っているのは、控え選手の活躍によるものだった。ルーク・ボイト内野手やクリント・フレイジャー外野手、マイク・タッチマン外野手らが全てとは言わないまでも、それなりに主力の穴を埋める活躍をみせている。そうして現在も脱落せずに地区優勝を狙える好位置をキープしてジャッジらの復帰を待っている訳である。
「ここ数年の広島の強さの1つに選手層の厚さというのがあると思う」
同じように控え選手の大切さを語るのは巨人の原辰徳監督だ。
「主力選手の力を比べればウチだって遜色のない選手が揃っている。でもレギュラー陣に何かあったときに、その穴をどう埋めるのか。その危機管理というのが、優勝を考えたときには絶対に必要なんです。ベンチに控える選手、ファームで待機している選手をどれだけレベルアップできるか。そうしてどれだけ選手全員で戦える集団を作れるか。そこが広島と伍して戦うための条件だと思っている」
その選手層の厚さを試される事態が勃発したのが、開幕から「1番・セカンド」でチームを牽引してきた吉川尚輝内野手の戦線離脱だった。
懸案だった「セカンド問題」。
開幕から1番に座って11試合で打率3割9分、出塁率4割3分2厘を誇った吉川が腰痛で登録抹消されたのが4月14日のこと。
ただでさえ巨人は「セカンド問題」が懸案だった。二塁に定着できる若手が育たず、ようやく吉川という芽が出てきたところでの離脱は、かなり大きなダメージに思えた。ところがその穴を埋める選手が出てきたのだ。
4年目の山本泰寛内野手である。