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プレミア復帰は「飛ばし」なのか。
香川真司、気になる来季の去就動向。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2019/04/21 11:30
レンタル先のトルコで輝きを取り戻しつつある香川。プレミアのクラブは関心を示すか。
古巣マンUが求める選手は……。
ところで、トップ6は香川に興味を持っているだろうか。独力で局面を打開できる右ウイング、運動量豊富で縦を強く意識できるアンカー、一流どころの右サイドバック、センターバック。ユナイテッドのオレ・グンナー・スールシャール監督がリクエストしたのは、4つのポジションである。
アーセナルのウナイ・エメリ監督はインテンシティを強く求め、メスト・エジルをベンチから外して物議を醸した。ジョゼップ・グアルディオラ監督のもと、香川の新たな才能が発掘されるのではと期待感を持ちたいが、シティの前線は優れた人材にあふれている。
チェルシーがマウリツィオ・サッリ監督を留任させるのなら、このクラブもトップ下を必要とせず、トッテナムはクリスティアン・エリクセンがレアル・マドリー、あるいはユナイテッドに移籍したとしても、コンダクターはデレ・アリが第一候補だ。また、マウリシオ・ポチェッティーノ監督が望むインテンシティを、香川は満たしているだろうか。
恩師クロップも、補強対象ではない。
さて、リバプールのユルゲン・クロップ監督は、香川の才能に惚れたひとりである。「オ~、シンジィ~」と相好を崩しながら、日本が誇るプレーメーカーを絶賛するケースもしばしばあった。しかも、リバプールは4月11日、『日本ハム』とパートナーシップ契約を結んだ。さぁ、日本企業の登場である。市場を担当するメディアが香川と強引に結びつけ、「恩師クロップと6年ぶりの再会か」と報じるに違いない。ネタとしては上物だ。
しかし、リバプールの補強ポイントはウイングと左サイドのバックアッパーであり、このクラブの基本フォーメーションは4-3-3だ。香川が入る余地はなく、日々進化するゲーゲンプレスも、彼のジャンルではない。