Number ExBACK NUMBER
東野圭吾のスノーボードへの愛が
オリンピアン達を熱くした!
posted2019/04/21 09:00
text by
秋月透馬(文藝春秋)Toma Akizuki
photograph by
Shigeki Yamamaomto/Yoshifumi Shimizu/Yoshi Josef Toomuch
「スノーボードが一番上手いのは誰なのか」
これを決めるために、作家・東野圭吾が主催する大会「スノーボードマスターズ(以下、SBM)」の第2回大会が、4月6日からの2日間、新潟県妙高市のロッテアライリゾートで行われた。
昨年の第1回大会は、「スノーボードの総合力が問われる世界で唯一の大会」と評価された。ソチ五輪に出場し、「X GAMES」で優勝経験もある角野友基は「前回は日程の都合で参加できなかったが、今年は何としても出場する」と表明。鬼塚雅選手、広野あさみ選手などオリンピアンだけでなく、日本中のトップライダーもエントリー。まさにオールスターが春の「アライ」に集結した。
第1回のSBM大会期間中に構想を練っていた、ガリレオシリーズ最新長編『沈黙のパレード』(http://www.bunshun.co.jp/galileo/)を昨年10月に刊行し、「週刊文春ミステリーベスト10」で1位を獲得。11月には映画『人魚の眠る家』が公開され、つづく今年1月にも映画『マスカレード・ホテル』が大ヒット。7月には最新作の長編の発売を控え、多忙を極める東野氏。関係者の証言によると、執筆業の傍ら、「第2回SBMを盛り上げるために、並々ならぬ情熱を注いでいた」という。
創造性が試されるSBM。
初日の競技は、「フリーライディング」+「ジャンプ」。
大きく変更になったのは、カービングのスキルを競うフリーライディングとジャンプの採点方法だった。前回はそれぞれ分けて採点していたのを、一体化して評価することになったのだ。
東野氏とスタッフで何度も話し合った結果、コース設計をフリーライディングのゾーンとジャンプ台として、明確に分けるのではなく、いずれのアイテムも「飛べるし、滑っても見せられる」ものにした。
大会を運営する五味克彦氏はこう語る。
「初日の競技は、どんな技術も披露できるコースとなりました。誰にもできない滑りをどう見せられるか。まさにスノーボーダーたちのクリエイティビティが試される大会になると思います」
この結果を受けた2日目は、タイムレースとなった。急斜面に作られた立体的なカーブである「バンク」の内側に設けられた、複数の旗(旗門)をターンし、滑走のタイムを競う「バンクドスラローム」。
総合優勝のために、難コースをどこまで攻めるのか。二代目のSBM王者のタイトルをかけて、白熱のレース展開が期待された。