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2部昇格のヴォレアス・古田が熱弁。
「バレー界で北海道から勝負する」
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byVOREAS HOKKAIDO
posted2019/04/03 10:30
主将としてチームを引っ張る古田。Vリーグディビジョン3の連覇を達成した。
「今までの自分はなんて甘かったんだろう」
函館有斗高校時代には北海道選抜に選ばれ、大学時代に代表入り。引く手あまたでエリートコースを歩んできた古田は、バレーボールを失って初めて社会の厳しさに直面する。
「今までの自分はなんて甘かったんだろう」
何もできない自分に愕然とした。
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故障が癒えた直後、バレーボールをしている学生と一緒に体を動かす機会があった。「やっぱりバレーボールが好きだ」と実感した古田は、競技に復帰する意思を固める。そして選んだのがプロという契約方法だった。
監督の指示を忠実に守るのが日本バレー。
プロ契約したジェイテクトで、ブルガリア代表として長年活躍したマテイ・カジースキとともにプレーしたことも、古田の心境を変えるきっかけになった。
「プロとして世界のトップでプレーする彼の価値観に触れることによって、『このままじゃだめだな』って一層、強く思うようになりました。
マテイは毎シーズン『優勝するために今年はここまではできるようになろう』と長期的な目標のほかに、短期的な目標を口にしていました。そのおかげで、成長しながら結果を出す喜びを教えてくれた。『それぞれが考え、チームの目標が実現するのがチームスポーツの楽しさだ』『ひとりじゃ勝てない。みんなで成長して、みんなで勝とう』といつも言ってくれました」
同時に、1点を奪うためには多様な方法があり、海外の選手はその想像力と対応力に長けていることも思い知った。
「監督の言うことができたか、できなかったかを問われるのが日本バレーのコーチングです。どの方法が最も点を取れる確率が高いかなんて、状況によって判断は変わるはずなのに『監督やコーチの言ったことができたかどうか』を重視している。自分で考えるための指導ではないんですよね。
海外のトッププレーヤーと日本人選手の差は、身長でもパワーでもない。その瞬間、瞬間でベストな選択を、それも楽しんでできる対応力だと感じました」