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2部昇格のヴォレアス・古田が熱弁。
「バレー界で北海道から勝負する」
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byVOREAS HOKKAIDO
posted2019/04/03 10:30
主将としてチームを引っ張る古田。Vリーグディビジョン3の連覇を達成した。
北海道はバレーの「分母」が大きい。
そして2017年、ジェイテクトを退団し、前年に地元・北海道で誕生したプロチーム、ヴォレアス北海道の一員となった。これまで自分が体験し、感じたことを自分より下の世代に伝えたいという古田の目標が、チームの理念と重なったことが入団の要因のひとつだ。
「ヴォレアスが発足するまで、北海道にトップカテゴリーに挑戦できるチームはありませんでした。でも家庭婦人のチームはたくさんあるし、小学生チームも多い。とにかく土地が広大な分、分母が大きいんです。
その上、雪が降るので冬は屋内競技が強い。バレーボールをツールとして、チームの価値を創造していける可能性は高いと考えています」
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ヴォレアスの発起人である池田憲士郎ゼネラルマネジャーとは高校時代から旧知の仲だ。池田が高校3年、古田が2年のときに北海道選抜で一緒にプレーしたのが最初だという。
当時、練習相手になってくれたのが、元Vリーガーや関東強豪大学出身者が在籍する北海道教員クラブというチームだった。
「衝撃を受けましたね。うまかったし、強かった。練習相手になってくれた期間に、僕らも飛躍的にうまくなりましたから」
強い対戦相手がいること、憧れとなるチームが地元にあることの大切さを知った。
「池田がヴォレアスを立ち上げる前からずっと『北海道から勝負したいよね』という話をして盛り上がっていました。ただ、北海道に戻ることは自分のキャリアの終わりではなくて、より良い自分になるためのスタートにしたかったんです。
自らの成熟とヴォレアスの発足。
過去に1部でプレーしていた実績があるからだけではなくて、『ヴォレアスで成長したから古田はすごい』と言われるのが、今の自分の目標です」
競技者として技術と考え方が熟した時期に、ちょうどヴォレアスの発足が重なった。
「1点を取ってみんなで一緒にワーっと盛り上がる、そういう展開は北海道の道民性にもマッチすると思います。ぜひ僕の成長をサポーターの方に間近で見てほしいですね」