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絶対女王、いよいよドバイ出陣。
ルメール「アーモンドアイは特別」
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2019/03/29 16:15
ドバイでアーモンドアイの追い切りを行ったクリストフ・ルメール騎手
海外メディアからも注目。
昨年のジャパンC以来、久しぶりの実戦だが、休み明けという雰囲気はなかったのだろうか?
「もちろん久しぶりなので、絶好調ではありません。でもそれは、レースになれば大丈夫。当日、そしてレース1時間前になれば彼女は自然とスイッチをオンにします」
その後、地元メディアはもちろん、ヨーロッパのメディアなど、次から次へとインタビューや撮影が続いた。息をつく間もなく長々と続き、繰り返される同じ質問にも、フランス人ジョッキーは嫌な顔ひとつせずに答える。
「もちろん大変です。でも、これだけ注目されるという事は、日本の競馬にとっても良い事。決して苦ではありません」
計り知れないアーモンドアイの能力。
彼はアーモンドアイについて各国のメディアにどう伝えていたのだろうか。
「彼女はまだ4歳になったばかりの女の子です。でも、そんな若い馬とは思えないほどの自信を持っています。何でも知っている感じです。若い牝馬としてはとても特別な馬です」
また、特徴を聞かれた際も、最大の賛辞が口をつく。
「乗るたびに成長していて、スタミナもあるしスピードもある。まさにスーパースターという言葉がぴったりくる馬です」
以前、「負けるとしたらどういう競馬になった時か」という意地悪な質問をぶつけた事がある。即答せずに一瞬「う~ん」と唇を結んだルメール騎手は、ゆっくりとした口調で「僕がミスをした時かな……」と言って笑ったが、果たしてそんな気持ちは現在も同じなのだろうか。
「そうですね。競馬ですから彼女のコンディションとか、色々な問題はあると思います。でも、まともに力を出してくれればもの凄いハイポテンシャルなのは間違いありません。彼女の限界がどこなのか、私は知りません」