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貴景勝が戦うのは白鵬か、10代か。
相撲界で中卒入門がトレンドに?
text by
西尾克洋Katsuhiro Nishio
photograph byKyodo News
posted2019/03/27 06:30
両親の前で大関への昇進を決めた貴景勝。時間は若い彼の味方だと思われていたが、10代の追い上げも加速している。
白鵬よりも豊昇龍が要警戒?
振り返ると稀勢の里や豪栄道、栃煌山の昭和61、62年生まれ世代のあと、アマチュアで実績を残した力士たちは大学相撲を経て角界入りするというのがトレンドだった。遠藤や御嶽海、正代や朝乃山といった力士はその代表例だ。
しかし横綱大関が高齢化し、次の時代を担う力士の層がそこまで厚くない今、早期入門して番付を上げれば、大相撲の世界で頂点に立つ可能性が高まる。4年後に完成度を高めて入門する頃には、時代の趨勢が決まってしまっている可能性があるのだ。
貴景勝が警戒しなければならないのは白鵬よりもむしろ、豊昇龍や北の若かもしれない。挑戦者としての闘いが終わりを迎えると、追われる者として気が休まらない日々が始まる可能性があるのだ。
大相撲の新時代はもうすぐそこまで来ている。
夏場所は若手力士たちの闘いにも注目である。