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酒井高徳、無言は「異例中の異例」。
自ら背負った昇格の責任との戦い。

posted2019/03/18 12:15

 
酒井高徳、無言は「異例中の異例」。自ら背負った昇格の責任との戦い。<Number Web> photograph by AFLO

酒井高徳はサイドバックながら中盤的な役割をこなすなど、重要な役回りだ。名門ハンブルガーの復権に欠かせない。

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寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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AFLO

 ハネス・ヴォルフ監督就任以降、勝ち点を重ねてブンデスリーガ2部で首位を走ってきたハンブルガーSVだが、ウィンターブレイク後はその勢いに陰りがみられるようになった。

 3月4日の第24節グロイター・フュルト戦は1-0で勝利を飾ったが、酒井高徳の表情は曇っていた。

 67分に相手が退場者を出したものの、なかなかゴールが決まらない。決勝ゴールが決まったのは85分だった。この試合で酒井はワンボランチを務め、両チームトップの走行距離をマークした疲労感が漂っていた。

 パス数では相手を100本近く上回っているが、シュート数は相手の半分。試合には勝ったものの効果的な攻撃ができたとは言えず、とにかく耐えて凌いだ試合だった。

「内容がよくないのはわかっている」

「自分たちの内容がよくないこと、ボールが繋げないこともわかっている。だから、もうちょっとボランチのところで安心感というか、自分が良いパフォーマンスを出すことを意識していたんですけど……。相手が1人少なくなり、カウンターには気をつけようと考えていた。相手がボールを蹴った時、うちの選手が跳ね返した後のセカンドボールを拾おうと。そこで拾われると、相手の攻撃時間が増えるし、体力的にもきつくなる。

 なので僕自身がきつくなってもいいから、2次攻撃させないところを意識していた。でも相手が10人になってセカンドボールを拾えるようになり、少し落ち着きが出て、相手も前へ出てこられなくなった。その試合運びは問題なかったと思います」

 続く第25節、ザンクトパウリとのハンブルクダービーを4-0と圧勝した。宿敵を倒しただけでなく、勝ち点差3で4位につける相手を下したのは大きい。

 そして迎えた3月16日、第26節のダルムシュタット戦。ホームスタジアムには5万4000人を超えるサポーターが詰めかけ、試合前から異様な熱を帯びていた。前節での健闘を称え、連勝で首位に返り咲こうというサポーターの意欲にあふれていた。

【次ページ】 久々に巻いたキャプテンマーク。

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