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イチローの開幕戦をまとめてみた。
「9番センター、鈴木」の時代も。
posted2019/03/19 08:00
text by
田村航平(Number編集部)Kohei Tamura
photograph by
Kazuaki Nishiyama
イチローがプロ28年目の開幕戦を、東京ドームで迎える。そこで、発売中のNumber974号『イチローを見よ』では、過去27度の開幕戦の全打席結果をまとめてみた。その中から、いくつかトリビアを紹介しよう。
初めての開幕戦出場はプロ2年目の1993年、まだ登録名は「鈴木」だった。9番センターで初の開幕スタメンとなったが、ロッテの先発・小宮山悟の前に三振、中飛、二ゴロと抑えられる。
翌'94年は開幕2日前に登録名を「イチロー」に変更して、2番センターで開幕スタメン。ダイエーの先発・吉田豊彦を相手に5打数1安打だったが、新聞記事では「鈴木改めイチローは~」と表記されていた。このシーズン、210安打を放って伝説が始まることはまだ誰も知らない。
しかし、全国区の知名度を得て臨んだ'95年は、2番ライトで開幕もロッテの先発・伊良部秀輝に4の0。'96年と'97年は2年連続で開幕戦が雨天順延と、天候との相性も悪い。特に'97年は3日も順延した挙句、試合前に打撃練習のボールが顔面を直撃して鼻血を出した。'99年は開幕前にマリナーズのキャンプに参加して体調を崩し、3の0に終わっている。
結局、日本での9年間は29打数3安打で打率.103。あのイチローをして、一度もマルチヒットがなかった。
メジャーでは珍しい「捕安」も。
その傾向が変わったのは、メジャーに移籍した2001年から。さっそくメジャーデビュー戦で2安打、翌'02年は3安打とロケットスタートを切る。衝撃だったのは'07年、遊ゴロ、左飛のあとの第3打席になんと「捕安」を記録。キャッチャー前のボテボテの当たりが、俊足を飛ばして内野安打になった。試合後のイチローは、こうコメントしている。
「2打席凡退のあとにあれが出るのは心強い。なかなかいいものですよ」(日刊スポーツ、'07年4月4日付より)
イチローは代名詞でもある内野安打を、メジャー18年間の開幕戦で7本も記録している。