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西岡良仁は男子テニス界の個性だ。
身長170cmでトップ100という自負。
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byGetty Images
posted2019/03/14 17:30
西岡良仁は途中棄権でベスト8進出はならなかったが、170cmでも世界と伍せることを証明してくれている。
堂々と不満を言えた理由。
「ニシオカは2試合連続でフルセットを戦ったのか。アイツは体が小さいからそろそろ1日休みを入れてやらないと、次はもたないな。2mを超えるイズナーとカルロビッチはサービスエースばかりで体力を使ってないから、連戦でもいいだろう」
ツアーがいちいちそんな配慮や判断までしなくてはならなくなったら大変である。
ただ、西岡がそんな不満を堂々と言えたのは、「自分たちのようなタイプの選手もいるからテニスはおもしろいという部分もあるでしょう?」という自負がどこかにあるからに違いない。
しかしその魅力をキープするには自分でなんとかするしかない。その一環だろうか、コートでの練習を一切行なわない日が数日あった。
「今の自分は、あまりテニスをする必要はないと思っています。3時間の試合をやった翌日にまた1時間やる意味はあまりない。休めるなら休みたいので」
練習時間、練習方法、トレーニング方法、ケアの仕方、食事――体作りに関わる全てにおいて、自分に最適な道をこれからも探していく必要がある。
トップ100に170cmの選手は2人しかおらず、西岡ともう1人のディエゴ・シュワルツマンも体の作りは全然違うのだ。誰かを参考にはできない。チャレンジングな模索である。