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<総括レポート>
サンウルブズ、2年目の収穫と蹉跌。 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2017/06/22 17:00

<総括レポート>サンウルブズ、2年目の収穫と蹉跌。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto
昨季からスーパーラグビーに参戦するサンウルブズ。世界トップレベルのチーム相手に厳しい戦いが続くが、戦術は徐々に磨かれ、新たな才能も着実に育っている。積み上げた経験は、ジャパンの未来へと繋がっていく。

 スタンドに手を振る選手たちの表情には翳りがあった。

 5月27日。秩父宮ラグビー場。スーパーラグビーを戦うサンウルブズは、日本代表活動による中断を前にした前半最終戦でチーターズと対戦し、敗れた。

 勝てる――2時間前には、選手も、ファンも、そう信じて臨んだ試合だった。

 サンウルブズはここまで1勝10敗、勝ち点7で全18チーム中最下位。対するチーターズは2勝10敗、勝ち点11で16位。サンウルブズがボーナスポイントつきの勝ち点5-0で勝てば、17位(同8)のレベルズも含めて抜き、単独16位に浮上できる――そんなバラ色のシナリオさえ語られた。

 無論、簡単に勝てる相手ではないが、今のサンウルブズなら勝てるんじゃないか。

 ホームの秩父宮は、4月8日のブルズ戦以来の登場だ。その試合に21-20で勝ったサンウルブズは、翌週から1カ月の長期遠征に出発。ニュージーランド(NZ)では優勝を争うチーフスに敵地で20-27と食い下がり、そこから転戦したアルゼンチンでは、長距離移動と時差のハンディを抱えながらジャガーズ相手に激戦。最後は39-46で敗れたものの、スリリングな高速アタックで5トライを奪った。帰国後は1週のオフをはさんでシンガポールでのシャークス戦。昨季勝ち点7位の難敵に17-38で敗れたが、後半34分までは4点差の接戦を演じた。

 列強との実力差は明らかに縮んでいる。その状態で、低迷中の相手をホームに迎えるのだ。きっと勝てる。勝たねば――だがそんな、願望込みの予想は儚く散った。

 80分であげたトライはわずかに1。ほとんどの時間を自陣に押し込まれ、勤勉なディフェンスで何とかボールを奪っても、気前よくキックで相手にボールを献上する。アタッキングラグビーの看板を掲げるスーパーラグビーでは派手な打ち合いが多いが、下位同士の戦いはシンプルなフィジカル勝負がモノを言う。低迷中のチーターズはまさにそこで勝負に来た。サンウルブズは後半25分までは7-19で粘ったが、ラスト15分間に4トライを畳み掛けられ、ファイナルスコアは7-47まで開いた。

この記事は雑誌『Number』の掲載記事です。
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