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<人馬の絆の物語>
テイエムオペラオー&和田竜二「世紀末無敗伝説」 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

PROFILE

photograph byKeiji Ishikawa

posted2016/12/18 17:00

<人馬の絆の物語>テイエムオペラオー&和田竜二「世紀末無敗伝説」<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

和田竜二騎手。

最強馬が窮地に立たされたのは、重賞8連勝をかけた有馬記念。しかし、多くの困難を乗り越えてきた騎手や調教師との絆が、レースの最後に「神様がくれた」という奇跡をもたらした。

 鹿児島県の実業家、竹園正繼(まさつぐ)オーナーと岩元市三調教師は、元々が幼なじみの間柄。騎手時代の岩元がバンブーアトラスで'82年ダービーを勝ったとき、その優勝騎手インタビューを竹園がテレビで偶然見たことをきっかけとして、馬主になりたいと考えるようになったのだという。岩元が調教師として開業するや早速預託契約を結び、馬産地に二人で頻繁に足を運ぶことになる。

 北海道浦河町の杵臼牧場に出向いたときに、栗毛の1歳牡馬を竹園が見初めた。それがのちのテイエムオペラオーだった。

「あの馬だけが光り輝いて見えた」と言うのは竹園だが、岩元は「まあ、普通にいい馬かなと。グングン良くなっていったのは、トレセンに入れて本格的な調教を積んでからだったよ」と、この時点では多少の温度差があったらしい。


 期待満載で出走させた8月の京都の新馬戦は、6馬身差の2着。「こんなに走らないはずがない」と調べてみると、飛節に僅かな剥離骨折が見つかって「逆にホッとしたもんだよ」と岩元が振り返る。2歳シーズンを棒に振り、クラシックの前登録も「皐月賞は間に合うまい」と諦めることになったが、なんと、未勝利、ゆきやなぎ賞、毎日杯と3連勝して、皐月賞に楽々間に合ってしまう。こうなれば追加登録料の200万円もうれしい誤算で、レースも5番人気の低評価をはね返しての優勝。思い通りの馬を1000万円という安い買い物で仕入れた竹園オーナーが、こぶしをガッと握りしめるような会心のガッツポーズの一つ目を決めた瞬間だった。

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夢の有馬記念Dream Race 1990-2016

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夢の有馬記念
Dream Race 1990-2016

 

テイエムオペラオー
和田竜二
竹園正繼
岩元市三

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