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<日本柔道、復活の切り札>
原沢久喜「でかいこと、成し遂げたいですね」
text by
柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph byTakuya Sugiyama
posted2016/06/27 08:00
ロンドンではまさかの金メダルなしに終わった男子柔道。“お家芸”の危機が叫ばれる中で最重量級代表となった、異色な経歴を持つ23歳が語る、大舞台への覚悟とは。
柔道男子100kg超級の代表レースを制し、リオデジャネイロ五輪への切符を手にした日の夜、原沢久喜は全日本男子監督の井上康生から1本の電話をもらった。
《日本柔道の再建は、お前に託したから》
原沢にとって井上は、柔道を始めた小学1年生の頃からのアイドルである。
「“あの井上康生”が自分にこんな言葉をかけてくれたというのがまずうれしかったですね(笑)。最重量級の代表になって、国を背負う重みが改めて感じられました」