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羽生がロシア杯で味わった「4回転」を跳び分ける難しさ。~ノーミスよりも、さらに上を目指す決断~ 

text by

野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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photograph byAsami Enomoto

posted2017/11/09 07:00

羽生がロシア杯で味わった「4回転」を跳び分ける難しさ。~ノーミスよりも、さらに上を目指す決断~<Number Web> photograph by Asami Enomoto

羽生はロシア杯で4回転ルッツを成功させるも「完璧なジャンプではない。まだまだ練習が足りない」と語った。

 羽生結弦が10月のロシア杯で、自身にとって4種類目の4回転ジャンプとなる「ルッツ」を成功させた。しかし他の4回転で、2回転や3回転になるミスがあり総合2位に。「難しいジャンプばかりに手を付けていると、他のジャンプに影響がでてしまう」と話した。

 羽生が言う「影響」とは、新たな4回転を跳べると元々跳べた4回転や3回転でミスをする逆転現象のことだ。

 まず4回転ジャンプと言っても、「360度×4」きっちり回るわけではない。5種類のうち最も得点が高い4回転ルッツは4回転よりわずかに多く、最も得点が低いトウループは少なく回る。これは「踏み切る時の足の向き」が違うため、空中での回転角度に多少の差が出ることによる。つまりジャンプの難易度は回転角度の順位なのだ。羽生は言う。「種類によって跳び方が全然違います。ぜんぶ使い分けて跳んでいるので、あちこち手を付けていると本当に訳が分からない状態になる。まだ甘ちゃんです」

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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