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五輪を更なる飛躍の糧に。伏兵・
坂井聖人の未来。~実力者が活躍した
競泳界で、唯一のサプライズ~
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byAsami Enomoto/JMPA
posted2016/09/20 09:00
バスではテニスの錦織圭と話す機会があり、他競技の選手からも刺激を受けたという坂井。
金2、銀2、銅3。合計7つのメダルラッシュに沸いたリオデジャネイロ五輪の日本競泳陣において、最大もしくは唯一と言っても良いほどの“サプライズ”となったのが、男子200mバタフライで銀メダルを獲得した坂井聖人だった。
準決勝6位の坂井が決勝で泳いだのは7コース。5コースのマイケル・フェルプス、あるいは2コースの瀬戸大也に意識が引き寄せられる中、150mのターンで首位のフェルプスから1秒以上遅れて6位にいた坂井が怒濤の追い込みを見せたのは、残り25mとなったあたりからだった。
坂井はラスト50mで4人をごぼう抜きにしたどころか、最後はフェルプスまでかわすような勢いでタッチ。フェルプスとわずか0秒04差での2位という結果に、記者席に陣取る各国のメディアは「誰だ、あの日本人は!」「なんだ、あの追い上げは!」と驚くばかりだった。