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今夏のビッグ3をも上回る、作新学院エースの台頭。~制球難に苦しみ、本格デビューはこの夏。~
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/08/27 17:00
本人も「実力以上のものが出た」と振り返る尽誠学園戦では、5安打13奪三振で完封勝利。
夏の甲子園大会の開幕前から「速いらしいよ」という噂が聞こえていた。そのピッチャーの甲子園での登板後、スカウトに話を聞くと、「栃木大会の決勝が乱打戦になって、リリーフで出てきたのは見ているんだけど……」と口ごもる。これほどいいとは思わなかった、という言外の空気が読み取れた。
制球難などのため登板機会が少なく、この夏の栃木県大会が本格的な公式戦デビューとなった作新学院の今井達也(3年)のことだ。マスコミの評判になることがほとんどなく、大会前の投手の評価は「藤平尚真(横浜)、寺島成輝(履正社)、高橋昂也(花咲徳栄)がビッグ3」で一致していた。今井の登場でその序列が大きく変わった。