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フロー状態がひらく人の極限進化。~未知なる潜在能力は「超人」を生むか~ 

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幅允孝

幅允孝Yoshitaka Haba

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photograph byWataru Sato

posted2015/11/16 08:00

フロー状態がひらく人の極限進化。~未知なる潜在能力は「超人」を生むか~<Number Web> photograph by Wataru Sato

『超人の秘密 エクストリームスポーツとフロー体験』スティーヴン・コトラー著 熊谷玲美訳 早川書房 2200円+税

 スポーツ選手が発する「ゾーン」という言葉。極限まで集中した状態を指すと想像する一方で、アスリートでもない自分には関係ないとも思える。しかし、事業計画を一気に書き上げたり、会話が弾んで時間がいつの間にか過ぎてしまうのも、根元は同じなのだと本書は伝える。

 最高のパフォーマンスを発揮する至高の感覚を「フロー」という。1960年代にミハイ・チクセントミハイという米国の心理学者によって名付けられた究極のメンタル状態。その中身を解き明かそうと試みるのが『超人の秘密』だ。


 第1部では様々なエクストリームスポーツを通じて、「フロー」が発現する瞬間を捉える。サーフィンやフリークライミング、スキーのビッグエア……。死が隣にあり、大量のアドレナリンを放出するスポーツは、時に「フロー」を呼び込む。近年、スポーツ全体のルールがより安全で穏やかなものになるのとは反対に、アドベンチャースポーツの世界では、極限のヒューマン・パフォーマンスに挑むアスリートが後を絶たない。そして、それは人間の進化を考える上で今や欠かせない研究となっているのだ。

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