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腎臓移植手術から見事に復活した、
五輪金メダリストハードラーの人生。
 

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及川彩子

及川彩子Ayako Oikawa

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posted2019/02/25 07:30

腎臓移植手術から見事に復活した、五輪金メダリストハードラーの人生。<Number Web> photograph by AFLO

腎臓移植手術を乗り越え、今年の7月に34歳になるアリエス・メリット。東京五輪でも彼の走りが見られるか。

難しいハードルを越えた意地がある。

 ロンドンのスタジアムは、五輪の金メダルをとった思い出深い場所。母リンダさん、姉ラトヤさんも応援に駆けつけた。腎臓移植が必要になった際、7歳年上のラトヤさんは「適合するなら、もちろん提供するわよ」とすぐに応じてくれた。リンダさんは手術の後もずっとつきそって身の回りの世話をしてくれた。

 家族のため、同じ病気で苦しんでいる人たち、お世話になった人たち、そして自分自身のためにロンドンではメダルを取りたかった。しかし決勝では3位に0秒03差で5位。メダルには届かなかった。

「若い選手が台頭してきて、活気があるよね」と悔しさを抑えて若手を讃えたが、このまま引き下がるつもりはない。五輪金メダリスト、世界記録保持者というプライド、腎臓移植という難しいハードルを越えた意地もある。メリットの視線は今年のドーハ世界陸上、そして東京五輪に向けられている。

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