酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
計算できる新外国人バッター3条件。
右打ち、ブレーク前、中距離打者。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byAFLO
posted2019/02/09 17:00
マリナーズ時代にイチローとチームメートだったホセ・ロペス。今やDeNAに欠かせぬ主砲だ。
期待できる新外国人打者は?
では、その基準で今季の新外国人打者を見ていこう。期待が持て総な選手には○をつける。成績はメジャーリーグ時代のもの。※マークは二塁打÷本塁打の数値だ。
<オリックス>
ジョーイ・メネセス 26歳/右打ち
(MLB実績なし)
<ロッテ>
○ケニス・バルガス 28歳/両打ち
197安打35本塁打 打率.252 ※1.09
<楽天>
ジャバリ・ブラッシュ 29歳/右打ち
51安打8本塁打 打率.186 ※1.13
<巨人>
〇クリスチャン・ビヤヌエバ 27歳/右打ち
94安打24本塁打 打率.245 ※0.67
イスラエル・モタ 22歳/右打者
(MLB実績なし)
<阪神>
〇ジェフリー・マルテ 27歳/右打者
146安打30本塁打 打率.222 ※1.00
時代は変わった。昔は外国人選手と言えば、圧倒的に打者だったが、今は投手の方が多くて、新外国人打者は6人だけだ。
今季の打者は本塁打が多い、というか二塁打が少ない打者が多く、打率が低め。つまり、ミートが巧みな確実性のある打者が少ない。やや期待薄か。
純然たる左打者は今年もいない。前述のとおり、めぼしい左打者は日本市場に出てこないのだろうし、そもそも外国人スカウト自身が左打者を最初から除外している可能性もある。
巨人はX.バティスタ、A.メヒアを自前のカープアカデミーで育てた広島のように、モタを青田買いで囲って育てようとしている。これはまた別枠だ。
阪神のロサリオのようなことも。
もちろん「(1)右打者、(2)出世前、(3)中距離打者」でもハズレのケースもある。
昨年の阪神、ウィリン・ロサリオは右打者で、29歳で来日。MLBでは413安打71本塁打、.273、※は1.17とやや確実性にかけたが、アベレージも稼いでいる。
春季キャンプではひたむきに練習していたから大いに期待したが、成績は上がらなかった。当たり前の話だが、3条件を満たしていれば全部OKというわけではない。
しかし、この条件から見えてくるのは、NPB、MLBを問わず「バランスの良い打撃ができる若い右打者は有望だ」という普遍性のある事実だ。
最近はシーズン中に外国人を補強することも多いから、まだ新しい打者が来るかもしれない。この3条件で、選手の査定をしていきたい。