「どんな試合でも、誰かが見ている」

「クラブW杯は世界のスカウトが見る大会。若手には大きなチャンスになる」と語る内田篤人の言葉を伝えたとき、「どんな試合でも、誰かが見ている。そういう意識でいつもやっているから、特別な気持ちはない」とサラリと話す安部にとっては、レアル・マドリー戦もいつもの一試合であり、そのピッチに立つための競争は続いている。

　プロサッカー選手としての野心と欲と向上心を持ち、日々を戦っている安部が、目指すべき頂は高い。だから、すべては通過点でしかないのだろう。

「僕はどんなときも、満足感を抱くことはない」

　口癖のようにいつもそう繰り返す安部が世界にインパクトを残すことができるのか？

　本人の気持ちとは別に、見る者は大きな期待を抱かざるを得ない。