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全日本プロレスの「世界最強タッグ」。
ガンから復帰・優勝した男の物語。
posted2018/12/13 16:30
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
1978年にスタートして41回の歴史を重ねた全日本プロレスの冬の風物詩「世界最強タッグ決定リーグ戦」の最終戦が12月11日、後楽園ホールで行われた。
しかし……優勝戦が後楽園ホールというのは会場的にはちょっと寂しい気がした。
5チームが勝ち点12で並んでいたが、真霜拳號&KAI組、パロウ&オディンソン組、秋山準&関本大介組の3チームはこの日、勝ち点を重ねられず、ほぼ優勝の可能性がなくなっていた。
メインイベント。
2連覇を狙う諏訪魔&石川修司組が、ジョー・ドーリング&ディラン・ジェイムス組と事実上の「決勝」を戦った。
諏訪魔と石川は大型タッグだが、ドーリングとジェイムスはそれを上回る重量感だ。全日本らしいカードだとも言えた。
留学生扱いからスタートしたドーリング。
ドーリングはアメリカマットで2004年にデビューしていたが、2007年6月、全日本プロレス道場に留学生としてやって来た選手である。
全日本でのデビューは留学生扱いだったので6月になったが、3カ月の道場生活を終えたドーリングは9月から“ガイジン・レスラー”として全日本のシリーズに参戦した。
いきなり諏訪魔を倒したドーリングは、武藤敬司と組んでその年の最強タッグリーグに優勝してしまった。