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J1あと一歩まで迫ったロティーナ。
ヴェルディを去る智将に見た教養。
text by
海江田哲朗Tetsuro Kaieda
photograph byGetty Images
posted2018/12/13 10:30
ヴェルディで2年間を過ごしたロティーナ監督。スペイン帰国後、地元紙に来季も日本で指導する意向を示したという。
「大事なのは、選手です」
最後の囲み取材でその問いを立てると、「エレガントに言えば、私は年を取っている、それだけのことです。この場ではさまざまな話ができて楽しかったですね。時には私も考えさせられることがあり、人間としてよりよい成長ができたように感じます」と軽くはぐらかされた。
以前、ロティーナ監督は仕事選びで重視するポイントをこう明言している。
「大事なのは、選手です。そこにどんな選手がいて、トレーニングしたいと思えるか。いくら条件のよいオファーであっても、魅力的な選手がいなければ私はその仕事を受けません」
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ポリシーの根幹をなすリアリズムに、感傷や甘えの入る余地はない。来季の監督就任のオファーを受諾したとすれば、手腕を発揮できる戦力と環境を見込んでのことだろう。
そうして、美しい言葉を美しく語る古つわものは、再来日を約束して機上の人となった。