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バド混合ダブルスの渡辺と東野が
天敵・中国ペア撃破の先に見た世界。
posted2018/11/25 08:00
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph by
Imaginechina/AFLO
“6度目の正直”だった。
11月13日から開催されていたBWFワールドツアー・香港オープン。18日には各種目の決勝戦が行われ、混合ダブルスで渡辺勇大、東野有紗組(日本ユニシス)が“天敵”中国ペアを破って、今季2個目のタイトルを掴んだ。
「全英オープンの優勝はもちろん、すごく嬉しかったですが、もう1度あのとき感じた優勝の気分を味わいたいと思っていました。だから優勝できてほっとしたというか……ここまで結構長かったですね」(東野)
決勝戦は過去5戦全敗の中国の王懿律(ワン・イーリュ)&黄東萍(ファン・ドンピン)との対戦となった。香港オープン直前に行われた福州中国オープン準決勝でも0-2とストレート負けを喫していた相手に一矢報いることはできるのか――。
プラン通りプレーして、勝てた。
試合前は「開き直ってというか、気持ちを落ち着かせて入ることができました」(東野)という。
世界ランク2位(11月15日時点)の強敵ペアは、五輪レースが始まる前にどうしても勝っておきたい相手だ。純粋に何度も同じ相手に負けるのは悔しい。さらにここで負け癖がついてしまうのはよくないとも考えた。
これまで5度対戦をし、5度敗れていた相手にも2人は一歩も譲ることはなかった。
渡辺と東野は第1ゲームを21-18で先制すると、第2ゲームも先行し、途中、接近されることもあったが、相手をスピードで上回り、21-14と快勝。優勝を手にした。
「(ワン&ファンペアに対しては)過去の対戦で同じパターンで負けていたのですが、これまではレシーブの場面で速い球に対して速く返球していたところを、相手のスピードを利用してうまくかわすという作戦を実行できたんじゃないかなと思います。
相手のパワーを利用するというところは、いつもジェレミーさん(ジェレミー・ガン日本代表混合ダブルス専任コーチ)に言われていることで、それがこの試合ではしっかりハマったと思います」(東野)