フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
GPシリーズ2戦目で宇野昌磨が優勝。
若手とベテランが入り混じる表彰台。
posted2018/10/30 07:30
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Akiko Tamura
10月26日、カナダのモントリオール郊外ラバルで開幕した、今季のGP2戦目スケートカナダ。宇野昌磨は昨シーズンに続いて無事タイトルを手にし、2位はカナダのキーガン・メッシング、3位は韓国のチャ・ジュンファンが入った。海外GP初挑戦をした友野一希は9位という結果になった。
SPでは宇野が4フリップ、4+3トウループのコンビネーションと順調に決めていったが、最後の3アクセルで転倒した。6分間ウォームアップから4回転があまり決まらず、それでもフリップとトウループのコンビネーションは強い気持ちで跳んだのだという。だが大丈夫だと思っていた3アクセルに落とし穴が待っていた。
「もっと強い気持ちでいったら跳べていた。(ジャンプを跳ぶのに)気持ちの影響というのはとても大きい。踏み込んで、これはやってしまったなと思った。完全に自分に負けていたという思いです」と悔しさを表現した宇野。
後半息切れもタイトル守った宇野。
翌日のフリーでは、厳しい表情で氷の中央に立った。『月光ソナタ』の荘厳なメロディがはじまった。予定されている4回転は、サルコウ、フリップ、トウループの3種類で合計4度。今シーズンから、リピートできる4回転は1種類のみとルールが変わり、宇野のように数種類の4回転を武器に持つ選手がさらに有利になった。
冒頭の4サルコウはきれいな着氷に見えたが、回転不足の判定。そこから4フリップ、4トウループ、そしてスピンなどの後に4+2トウループのコンビネーション、そして3アクセルを決めた。
このままノーミスでいくのかと思った瞬間、3アクセルの後につなげた3フリップで手をついた。最後のジャンプ、3サルコウ+3トウループの二つ目のジャンプで転倒。それでも188.38を獲得し、総合277.25で優勝。
SPでのアクセルの失敗の悔しさを、フリーでは最初から全力でぶつけたという宇野。「体力には自信があったのですが」と何度か繰り返し、「まだまだ練習が必要だと実感しました。思ったよりも体に力がなかった」と演技を振り返った。