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世界を知る女子バレー荒木絵里香が
コートで見せる大黒柱としての役割。 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byAFLO

posted2018/10/17 10:30

世界を知る女子バレー荒木絵里香がコートで見せる大黒柱としての役割。<Number Web> photograph by AFLO

荒木は「自分の大きな仕事の1つだと思ってずっとやっている」とサーブへの心構えを明かす。

イタリア戦でチーム最多得点。

 荒木はいつも“全力”だ。プレーはもちろん、得点を決めるたびに体中で喜びを爆発させ、それがチームに勢いを与えている。

 3次ラウンドは6チームが2組に分かれて対戦し、3チーム中、上位2チームが準決勝に進み、最下位のチームは5、6位決定戦に回る。

「3次のこの戦いが、本当の戦い」と荒木が言ったように、そこには別次元の戦いが待っていた。3次ラウンド初戦は、攻撃力だけでなく守備でも日本を上回ったセルビアにセットカウント0-3で敗れ、日本は後がなくなった。

 第2戦は、今大会ここまで9戦全勝のイタリア。メダルがかかる試合の数少ない経験者の荒木が、クイック、ブロック、サーブすべてで得点を重ねてチーム最多の17点を挙げ、改めて大黒柱の存在感を発揮した。

 しかし日本はフルセットの接戦に競り負け、3次ラウンド2連敗で準決勝進出がなくなり、目標としていたメダル獲得の可能性がついえた。

「まだ、頑張れそうです」

 荒木は天を仰いだ。悔やんだのは、第5セット11-12の場面で、ブロード攻撃をミリアム・シッラのブロック1枚でシャットアウトされた1本だ。

 セッターがブロックを1枚にしたら、スパイカーは決め切るというのがチームの約束事。その後、イタリアのマッチポイントから、荒木のブロード攻撃とブロックポイントで13-14と追い上げたが、あと一歩、届かなかった。

「本当に悔しいし、勝ちたかったという思いしかない。自分があそこで1点、シャットされたボールを、決め切れていたら、展開が違ったと思う。点数的にすごく大事なところで、ゲームを動かしてしまったので、決めきれなかったのが本当に悔しいです」

“悔しい”しか出てこない。しかしその悔しさが、次へのエネルギーになる。残された今大会の1試合はもちろん、来年、そして再来年に向けても。

「今もこのレベルで、こういう世界トップの相手と自分が試合できているということが、すごくありがたいし、幸せだし、すごい充実感を感じながらこの大会を戦えているから……まだ、頑張れそうです」

 そう言って、最後にようやく微笑み、前を向いた。

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