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日本球界“追放”でもメジャーへ。
吉川峻平「甘い決断はしていない」
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byKyodo News
posted2018/09/30 17:30
吉川峻平は最速148kmの直球と決め球のシンカーを武器にメジャーでの活躍を誓う。
大学で対戦した相手ともう一度。
「直接メジャー」の道を選択した理由は、実はシンプルだった。
「それまでもMLBは見ていましたし、憧れみたいなのがあったんですけど、日米で実際にやった米国代表がメジャーのドラフトに半分以上、上位でかかっていたので、そういうのと対戦したことが、もう1回やりたい、そういう選手がやるようなところでプレーしたいという思いになったという感じです」
憧れの投手は、ヤンキース田中将大と、パイレーツのクリス・アーチャー。
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2人とも時速160kmの快速球で相手打者をねじ伏せるわけではない。良質の速球と、抜群の制球力、変化球とのコンビネーションで、年間のローテーションを守り、メジャー最高レベルにランクされる。自ら「パワーピッチャーではない」と言う吉川が追い求める投手の理想型にも、冷静さと客観的な分析力が垣間見える。
GM補佐が吉川を評価する理由とは。
球団の育成方針もあり、メジャーの舞台を踏むまで、数年の歳月を要することになる。その一方で、日本で複数回視察したアミエル・サワデーGM補佐は、吉川への期待をはっきりと口にする。
「彼は、米国のマイナーの若手が経験したことのないような、大観衆の前で登板したこともある。メジャーレベルで成功できる投手と感じている」
もっとも、退路を断ったとはいえ、吉川に不要な気負いはない。
「今の段階では何も通用しないと思っているので、ストレートを磨いていかないといけないと思っています」
甘い決断はしていない――。
腹をくくった吉川の挑戦は、誰もができることではない。