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オリの心優しき助っ人ディクソン。
「日本の人や文化が好きですから」 

text by

米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byKyodo News

posted2018/09/20 08:00

オリの心優しき助っ人ディクソン。「日本の人や文化が好きですから」<Number Web> photograph by Kyodo News

7月17日の日本ハム戦では4年ぶりとなる完封勝利を挙げたディクソン。「本当にうれしい」と笑顔を見せていた。

「静かで小動物みたい」(若月)

 普段は6、7回、100球程度で交代することが多いため、そういうスタイルなのかと思いきや、そうではなかった。

「試合の中で、うしろの(リリーフ)ピッチャーが行ったほうがいい場面もあるので、そういうときは気持ちよくマウンドを渡しますが、それ以外の時は常に最後までいきたいという気持ちでいます」と珍しく自我をのぞかせた。

 ヒーローインタビューのあと、次女のケンジーちゃんと一緒にグラウンドを1周するディクソンは誇らしげで、幸せそうだった。

 ディクソンはグラウンドの中でも外でも穏やかで、マウンド上でもほとんど感情を表に出さない。若月は、「静かで、小動物みたい。たとえ打たれても変わらないし、そこがすごいと思います」と言う。

来日後生まれた長女は“ナラ”。

 そんな落ち着いた性格が、日本の水に合ったのだろうか。ディクソンは非常に日本を愛し、居心地のよさを感じていると言う。

「日本の“人”が好きですね。人や日本の文化が、自分の性格に合っているし、家族もみんな好きで、心地よく過ごせる。安全だし、環境もいいですから」

 ディクソンが来日後に生まれた長女には、“ナラ”と名付けた。

「自分が日本にいる間に生まれた子なので、何か日本にちなんだ名前をつけたいと思いました。自分は動物が好きで、その中でも特に好きなのが鹿です。鹿といえば、奈良ですよね。それが名づけた理由の1つです」

 これほど日本を愛してくれる心優しき助っ人に、来年こそは2桁勝利を、と願わずにいられない。

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ブランドン・ディクソン
オリックス・バファローズ

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