ゴルフPRESSBACK NUMBER
松山英樹が滑り込んだ歴史の転機。
プレーオフ改革で来季は賞金16億円!
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph bySonoko Funakoshi
posted2018/09/20 10:30
プレーオフ開始時点では70位以下だったランキングを急上昇させて最終戦に生き残った松山英樹。ここまで来れば一発勝負だ。
優勝ボーナス賞金は一気に16.5億円に。
そして、3試合目となる最終戦のツアー選手権では、ポイントランク1位の選手には「10アンダー」、2位には「8アンダー」、3位には「7アンダー」……26位から30位までの選手には「イーブンパー」という持ち点的なスコアを付与し、そのスコアから初日をスタートすることになる。
そして、最小スコアで4日間を終えた選手がツアー選手権の優勝者となり、イコール、その優勝者が年間王者となってボーナスを手に入れる。
そのボーナスは現在は10ミリオンだが、来季からは一気に15ミリオン(約16.5億円)へ引き上げられる。他選手たちにも配分されるフェデックスカップ・ボーナスの総額も現在の25ミリオンから60ミリオンへ大幅に拡大される。
さらに驚いたのは、もう1つ新たなレースが新設されること。米ツアーはメジャー4大会を含めた長いレギュラーシーズンが終わった後にプレーオフ・シリーズに移るのだが、現行システム下では、プレーオフでたまたま好調だった選手のほうがレギュラーシーズンで頑張った選手より手にする金額が大きくなるケースも見受けられ、「日頃の努力が正当に評価されない」といった批判が以前から上がっていた。
そうした声に応える形で、来季からはレギュラーシーズン終了時点でのランク上位10人に、まずボーナスを支給する「ウインダム・リワード・トップ10レース」が新設され、1位には2ミリオン、2位には1.5ミリオン……10位でも50万ドルが支給される。それが選手たちにとって大きな魅力とモチベーションになるであろうことは言うまでもない。
現行システムの最後に居合わせる意味。
大幅チェンジが行なわれ、来季からは新しいレース、新しいプレーオフ、新しいツアー選手権の戦い方で年間王者と15ミリオンのボーナスが競われる。その意味で、今年のツアー選手権はポイント制で競われる最後の大会となる。
「あの最後の大会に僕は居た」
そういう歴史を生きることになる今年の30人の中に、2013年以来の出場となる42歳のタイガー・ウッズがいて、最年長48歳のフィル・ミケルソンもいることは何とも興味深い。まるで歴史の節目となるラスト大会を飾るために、彼らがそこに居合わせられるよう神様か誰かが導いたようにさえ感じられてしまう。